米国に上場している高配当株といえばTRMD/トームを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。TRMD/トームも高配当株で有名ですからね。
TRMD/トームは配当金も高くポートフォリオの一つに加えたいところではあるのですが、問題はここのところ株価が結構上昇しているという事ですね。
2021年までは株価が10ドルを切っている状態で長くいたのですが、2022年からグッと上がり始めて今では40ドルを切るぐらいまで上がってきているのです。
もちろんこれからも上がっていく可能性はあるのだと思うのですが、高配当株でここまで上がってしまうとちょっと怖い感じがしますよね。特に海運株なので景気とかによって上下が激しそうですし。
高配当株なので多少株価が下げるというのも想定の範囲内だとは思うのですが、それでも今まで上がっていた分下がると4分の1にまでなってしまいますからね。
今まで上がっていた分下がるとなると業績もある程度悪化はしているかもしれないので、配当金もその分下がる可能性もあり得ます。
なので、多少持っておくのは今の株価で十分高配当なので良いと思うのですが、全力で買いに行くのは結構怖いものがありますね。
とりあえず様子を見て買ってみようと思うので、TRMD/トームについて紹介しておきます。あくまで素人なので間違っているところなどあると思いますがご了承ください。
TRMD(TORM plc、トーム)は、デンマークに本拠を置く海運会社で、特にタンカーの運航に強みを持っています。TORMは、石油製品(精製油)やバイオ燃料、化学品などの輸送を専門とする企業であり、世界的に展開する大手の海運会社の一つです。
デンマークに本拠を置いてはいますが、イギリスに法人登録されている会社になります。イギリスに法人登録している理由としては、税制面やビジネス上の利便性が関係している可能性がありますが、TORMの実質的な運営と活動の中心はデンマークです。
投資家目線で見ると、TRMDはエネルギー関連の輸送に依存するため、原油価格や世界経済の動向が企業業績に大きな影響を与える点が特徴です。以下にTRMDのビジネスモデル、業績、リスク、投資家にとっての魅力などを詳しく説明します。
TRMDは、主に以下の分野で事業を展開しています。
【タンカーの運航】
TRMDの主要事業は、石油製品タンカーの運航です。同社は、船舶を所有し、これらのタンカーで世界中の港から港へ、原油や精製された石油製品を輸送します。具体的には、ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、ナフサ、バイオ燃料などが対象です。
【スポット市場および長期契約】
TRMDのビジネスは、スポット市場(短期取引)と長期契約に依存しています。スポット市場では、需要がある時に短期的な輸送契約を結び、長期契約では固定の料金で複数年の輸送を行います。この2つの市場を活用することで、収益の安定化を図っています。
TRMDの収益は、主に運賃収入から成り立ちます。運賃収入は以下の要因によって大きく変動します。
【原油価格の変動】
TRMDのビジネスは、原油価格に直接的な影響を受けます。原油価格が上昇すると、原油の輸送需要が高まり、それに伴ってタンカーの利用が増える傾向があります。また、精製された石油製品の輸送需要も増加し、TRMDの収益にプラスの影響を与えることがあります。
【世界経済とエネルギー需要】
世界経済の成長がエネルギー需要を押し上げるため、TRMDの業績はグローバルな経済状況に強く関連しています。特に、新興国や発展途上国の工業化とエネルギー消費の増加が、石油製品の輸送需要を引き上げ、TRMDの成長を促します。
【運賃市場の変動】
タンカー運賃市場は需要と供給のバランスによって大きく変動します。特に、船舶の供給が不足している場合、運賃が高騰し、TRMDの収益を押し上げる要因となりますが、逆に過剰供給が続く場合、運賃は低下し、収益性が低下するリスクもあります。
TRMDは、財務の健全性に強みがあります。以下の要素は投資家にとっての魅力です:
【強固なバランスシート】
TRMDは、適度な借入金と健全なキャッシュフローを維持しており、経済的なショックに対する耐性を持っています。特に、近年の業績改善に伴い、財務の安定性が高まっています。
【配当支払い】
TRMDは配当支払いも行っており、安定した収益の一部を投資家に還元しています。海運業界では、収益が変動しやすいものの、運賃市場が好調な際には高い配当を期待できる点が投資家にとっての魅力です。
TRMDへの投資には、いくつかのリスクが伴います。
【運賃市場の変動リスク】
タンカー運賃市場は非常に変動しやすいため、市場の供給過剰や原油需要の低下などが起こると、TRMDの収益が急激に減少するリスクがあります。
【原油価格の変動リスク】
原油価格の急激な変動がTRMDのビジネスに直接影響を与えます。特に、原油価格の大幅な下落は、エネルギー輸送需要の減少につながる可能性があるため、収益が圧迫されるリスクがあります。
【規制リスク】
海運業界は、環境規制や安全規制の強化が進んでおり、新たな規制に対応するためのコストが発生することがあります。特に、環境負荷の軽減に向けた規制が厳格化される中、船舶の近代化や燃料効率向上にかかるコストが増加するリスクがあります。
【高配当利回りの可能性】
TRMDは、収益の一部を配当として還元しているため、高配当株としての魅力があります。特に、タンカー市場が好調な場合、配当利回りが上昇する可能性があります。
【エネルギー市場の成長に伴う需要増加】
世界的なエネルギー消費の増加により、TRMDが輸送する石油製品や化学品の需要も増加すると期待されます。これにより、長期的な収益成長が見込めます。
TRMD(TORM)は、タンカーによる石油製品や化学品の輸送を主な事業とする海運会社で、原油価格や世界経済の動向に強く影響される企業です。投資家にとっては、高配当利回りの可能性と、エネルギー市場の成長に伴う安定した収益が魅力ですが、同時に運賃市場の変動や規制リスクなども伴います。
TRMD/トームは高配当株で人気ですので配当利回りもすごく高いです。その利回りは、
15.15%
となっています。10%超えていているだけで驚きなのに、15%まで行っているっていうのはすごいですね。
ただ、毎年安定的に配当金を出しているという訳ではないので注意してください。
配当性向は70%前後ぐらいになっていて、高い水準にはありますが無理して支払っているという感じでもないかもしれませんね。米国の高配当株ならこれくらいの水準というのは結構あることですから。
TRMD/トームの配当権利落ち日・配当支払い日は以下のようになっています。
配当権利落ち日 | 配当支払い日 |
---|---|
3月下旬 | 4月上旬 |
5月中旬 | 6月上旬 |
8月下旬 | 9月中旬 |
11月中旬 | 12月上旬 |
その年によって違ったりしますので、確認しておいてください。
高配当株って、基本的には権利落ち日後は下がることになると思うので、下がった時に配当利回りを高くして購入するのもいいですね。
ただ、配当が高いわけですのでちょっと前の上がる前ぐらいから仕込むというのも良いでしょうし、自分で考えたうえで決めるといいでしょう。
TRMD/トームはイギリスのADR銘柄ですね。他の高配当ADRでいうとBTI/ブリティッシュ・アメリカン・タバコと同じです。BTI/ブリティッシュ・アメリカン・タバコもイギリスの会社ですから。
イギリスのADR銘柄に関しては課税されません。TRMD/トームから支払われた配当金にイギリスで税金を支払わなくてよいのです。
日本では支払わないといけませんので、TRMD/トームから支払われた税金の20.315%の税金がかかるようになります。
ただ、この日本での税金もNISA口座で保有すれば税金がかからないので、米国でも日本でも税金を支払うことなく配当金を受け取ることが出来るのです。
TRMD/トームの配当金は今の所15%ほどあるわけですので、これを丸々税金支払うことなくもらえるというのはメリットが大きいですね。
ただ、配当が安定したいないという事と、株価も結構上がっているという事を考えてNISA口座の枠を使うかどうかはしっかり検討する必要があるでしょう。
TRMD/トームが欲しいという方はいるかと思いますが、どうやって買えばいいの?と買い方が分からない人も多いでしょう。
日本株と違いますし、ADRというちょっと特殊なので分からないという事にもなるでしょうから。
でも、TRMD/トームはADRという形でニューヨーク証券取引所に上場していますので、米国株を購入できる日本の証券会社ならば普通に購入することができます。普通の米国株を購入するように購入すればいいだけです。
ただ、証券会社によっては一部の米国株しか取り扱っていないこともありますので確認しておきましょう。
ネット証券大手の楽天証券は普通に購入することができます。NISA口座の開設も可能ですよ。